2015年06月29日

今だけ委員長ブログを一時休止します

 2005年8月から書きはじめた小ブログ「新聞販売考―今だけ委員長の独りごと」。
 新聞産業にある構造的な問題や「不都合な真実」は、結果として読者の信頼を裏切ることになる――との懸念から、自分の目線で(備忘録として)発信してきました。

 しかし、いろいろと訳があって小ブログを一時休止(非公開)することにしました。
 直接、個人や組織から「止めろ」と言われたとか、それに類似した圧力があったということはありません。あくまでも自身の考えによるものです。「真実を曲げる」ことはできない性格なので・・・。

 サイトは残しますが、新聞販売問題、軽減税率、特定商取引法のカテゴリーと読売新聞に関連した日記などは「非公開」の設定をします。
 ブログは自身の日記でもあるので「非公開」のまま綴っていこうと思います。これまで閲覧いただいた皆さまに感謝申し上げます。
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2015年06月25日

販売正常化の重鎮 熊日の森茂さんが逝去

 きょう届いた23日付の新聞協会報をながめていたら、元熊本日日新聞社常務取締役の森茂さんの訃報が掲載されていました。86歳。

 新聞の販売正常化に尽力された方で、一度だけ労組の集会の講師を依頼したことがありました。森さんが書かれた「新聞 もう一つの顔−販売の暴走十八年−」での販売問題への指摘は25年たった今でも色あせることはありません。というか、残念ながら根本的な問題は何にも改善されていないのです。

 心からご冥福をお祈りします。

▽遠い販売正常化への道…熊日にいまでも宿る販売の精神!(今だけ委員長ブログより)
http://minihanroblog.seesaa.net/article/6504126.html
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2015年06月13日

「風化」という言葉がひとり歩きしている

 新聞は誰のためにあるのか―。
 東日本大震災では多数の新聞社、新聞販売店も甚大な被害を受けました。あの大変な状況のなか、新聞を作る側、届ける側の人たちは「誰のための仕事か」と、新聞産業の原点をバネに前を向いてふんばってこられたと思います。

敏郎さん.jpg 先週末、専修大学教授・山田健太さんの依頼を受け、ゼミ生30人を宮城県石巻市と女川町の被災エリアを巡るツアーをコーディネートさせていただきました。山田さんのもとでジャーナリズム論を研究する学生に4年経った被災地の“あの時”と“いま”を伝えるために、最初に訪れたのは児童74人が犠牲となった大川小学校。当時、6年生だった娘さんを亡くした佐藤敏郎さん(現在、小さな命を考える会代表、キッズナウジャパン事務局長)から「なぜ小さな命を守れなかったのか」を考えるお話をしていただきました。それは、講話というより「授業」そのものでした。流れ出る涙を抑えながら佐藤さんの話に聞き入る学生たち。真実と向き合う勇気を学んでくれたと思います。(その後、女川町を巡り、NPO法人「カタリバ」が運営するコラボ・スクール女川向学館を見学しました。ご協力いただいた皆さまへ感謝申し上げます)

 冒頭の話に戻りますが、ツアー初日の晩に石巻日日新聞社常務取締役で現在、「石巻NEWSee(ニューゼ)」館長の武内宏之さんから話をうかがう機会を得ました。ホテルの食堂で武内さんを囲み、3時間以上も繰り広げられた議論に学生たちの真剣さを感じました。

武内宏之.jpg 武内さんが繰り返し述べられていたことは、「誰のために新聞を作っているのか」、「『風化』しているとよく言われるが単語がひとり歩きしているのではないか」という2点。石巻市、女川町、東松島市で発行する同紙は地元に根ざした記事を発信し続けてきたことは言うまでもありませんが、震災後は被災された方の気持ちが前を向くような紙面づくりを心がけたそうです。また、震災後は発行部数も半減して経営的にも窮地に追い込まれるなか、被災者の生活を鑑みて購読料を500円引き下げるなど「地元の人たちと共に地域を作る新聞」を有言実行されています。
 学生からの質問に「4年経って風化していると言われているが」との意見に対し武内さんは、「私は震災後のTV取材などで『言葉を大切にしたい』と言ってきた。風化という単語のみで被災地の状況を一緒くたにされてはいけないと思う。地元の若い人たちも頑張っているし、遠方から足を運んでくれるボランティアの方もまだまだいる。これからだと思う」と語りました。

壁新聞 号外.jpg 翌日は武内さんが館長を務める「石巻NEWSee」を訪問(筆者は二度目)し、7枚の壁新聞(実際には8枚)を見学しました。一つひとつ丁寧に説明してくださる竹内さん。震災当時は報道部長として壁新聞作りの指揮をとられたとうかがいました。端々にガムテープの跡が残る手書きの紙面に「文字のチカラ」と「生活情報を丹念に伝える使命感」が伝わってきます。学生たちは1字1字を噛み締めるように新聞の原点ともいえる壁新聞を見入っていました。
NEWSee.jpg NEWSee 展示物.jpg
▽戦時中の伝説が生んだ壁新聞 「石巻日日新聞」常務取締役 武内宏之さんに聞く
▽誰のための取材なのか 大手メディアと石巻日日新聞の違い

posted by 今だけ委員長 at 08:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2015年05月25日

やはり最強の実践理論だった「チームの力」

27073469_1.jpg
チームの力――構造構成主義による“新”組織論
著者 西條剛央(ちくま書房)780円+Tax

 ふんばろう東日本支援プロジェクトの元代表で、西條剛央さんの新著をご恵贈いただきました。
 小ブログでも私も末席を汚しているふんばろう東日本支援プロジェクトのことや西條さんの著書を紹介していますが、“ブレない”彼が伝えたいことがまとめられ、その考察と人間的な魅力にあらためて惹きつけられました。

 「チームの力」。このキーワードで検索すると組織マネジメントに類する論考が多数ありますが、組織とチームを明確に分けて論じた書籍は初めてだと思います。
 掲げた目標を達成させることを目的に活動する「チーム」が陥りやすい問題点や克服していくべき課題、そしてリーダーの立ち位置など、東日本大震災発生後から西条さんとともに支援活動に携わった私としては、すべて(構造構成主義に立脚した)西條さんの「シナリオ通り」だったと腑に落ちます。企業、行政、部活道、NPOなど、世の中には溢れんばかりにさまざまな「チーム」が存在し、そのリーダーが思うような成果が出せずに悩んでいる昨今、日本最大のボランティアチームを運営し、最大限のチカラを発揮させていくためのメカニズムが解き明かされた1冊です。

 個人的には第3章「ブレないチーム運営」が特に参考になりました。
 今だけ委員長が身を置く新聞産業はかなりの部分で“埋没コスト”に苛まれ、不都合な選択をしてしまう体質から抜け出せないでいます。本書はその現状に対する処方箋といっても過言ではありません。
 「埋没コストとは、これまでに積み重ねてきた実績や信頼、費やした時間や賃金といった回収不可能なコストのことだ。したがって、基本的には時間経過にともない埋没コストは増大していくことになる。この観点から見ると、戦争をやめられなかったのも、原発を止められないのも、方針転換することで、それまでに費やした多くのコストが回収不能になるためだとわかる」(本書から引用)
 では、その埋没コストをどう克服していくのか。本書では「方法の原理」(目的と状況、目指すべき未来を基点とした意思決定)という論点からそれを乗り越えていくポイントが分かりやすく記されています。

 「いいチーム」で仕事をすることは最大の幸せです。適切な「問い」を方法の原理に則って考え、「戦略」を立てていくリーダーシップ。やはり、素晴らしいリーダーに人が集い、学び、受け継いでいく良好な人的循環が広義でいえば世の中をよくするのだと本書から感じました。
posted by 今だけ委員長 at 11:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介

2015年05月02日

もう一歩踏み込んだ「デジタル版」提供の基準を考えたい

ゴールデンウィーク後半戦に突入!
でも、この時期は代配に追われ毎朝2時30分起きなので、帰省してくる友人や被災地へ継続的に訪れてくれるボランティア仲間と“ゆっくり語り合う時間がない(いわゆる飲めない)”のが残念。まぁこの稼業を続けているうちは「宿命」のようなものです(笑)

この期間中は旅行に出かけられる方や連休する企業から、新聞配達の一時休止の連絡が殺到します。ポストに新聞がたまっていると、「留守」と悟られて空き巣のターゲットとなってしまう―との意見多く、GW、お盆、年末年始の三大ウィークに新聞配達を一時休止される方が増えてきました。
今だけ委員長が勤める販売店では毎回、200件を超す一時休止の連絡が寄せられます。その期間や件数などを眺めると、旅行(帰省)に出かけられる方の多少や企業の休業日の平均などが見えてきます。4月29日から5月6日までの8連休をされる企業は2社のみで、ほとんどは本日から6日までの5連休。旅行などで家を空けられる人の数は例年より「少なめ」という感じです。

新聞は日々の情報を伝えるメディア。特に地元紙は全国規模のニュースではないローカル情報(地ダネ)が多いので、自身の関心ごとや知人が掲載された紙面を見逃すまいと、販売店で「保管」をして帰省後にお届けするサービスをしています。「お悔やみ広告は見逃せない」という人が大半ですが、帰省後にゆっくり4〜5日分の新聞を眺めると、あすから始まる日常へすっと入っていけるのではないかと感じているので、積極的に「一時保管後にお届け」をご案内しています。
一方、休止した分を購読料から値引くよう求められるケースも増えています。過去のブログにも書きましたが、販売店は月決め購読料を頂戴できる読者数分の新聞を新聞社へ発注(おそらく)しているので、お客さまへの値引き分は販売店の減収となります。販売店は再販制度によって、新聞社が決めた定価販売を義務付けられているため、本来はこの値引きの求めに応じることも業界的には「NG」。しかし、そんなこと言っていたら、お客さまからそっぽ向かれてしまいます。このあたりの現状を新聞社の方々にも理解してもらいたいものです。

で、もうひとつ。最近、現読者へのサービスとして各紙が取り組んでいる「デジタル版」(PDFデータなどで紙面が閲覧できる)の登録者が「(紙の)配達の一時休止」をされた場合に、読者の求めに応じて休止期間分の値引きをするべきかどうか?こんな「はてな」が生じています。
先日、入院されて約3週間、配達休止を承ったお客さまへ「返金」にうかがおうと連絡をしたところ「デジタル版で毎日紙面を読んでいたから返金しなくてもイイですよ」との返答がありました。なるほど、モノ(紙)は届けていなくとも紙面と同じコンテンツは読んでいる。デジタル版の申込者にはこのあたりの「サービス提供に当たっての基準」を理解、浸透させる必要があると感じています。

「それっぽっちのこと」と言わずに(誰に言っているのでしょうか?)、デジタル時代のコンテンツ提供を考える際の一助になればと思います。
posted by 今だけ委員長 at 07:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2015年04月02日

えん罪に立ち向かった河野優司さん「真実を貫き、最後まで諦めず、日頃の懸命さが自分を助ける」

 2007年に公開された映画「それでもボクはやってない」(周防正行監督)は、痴漢えん罪事件の容疑をかけられた時点で人権が無視される不条理な司法の実情を描き、「えん罪」という言葉を世に知らしめました。「推定有罪」。こんな言葉があるのだと不思議に思った方も少なくないと思います。
 この映画のモデルとなった方は1年6カ月の実刑(服役)を受けた後、「えん罪」を晴らそうと今年2月に再審請求したことも記憶に新しいと思います。
▽「痴漢は冤罪」と再審請求 周防監督「それでもボクはやってない」モデルの男性(産経新聞2015年2月5日付)
http://www.sankei.com/affairs/news/150205/afr1502050028-n1.html

 痴漢えん罪の多くは係争するよりも罰金を支払って解決するケースが多く、えん罪であるのに無実を証明する労力より罪を仕方なく受け入れる方が少なくありません。それだけ、着せられた濡れ衣(罪)を押し戻すことはとても難しいと言われています。

河野優司さん.jpg 2006年に起きた横浜市立高校・元教師の河野優司さんの痴漢えん罪事件。刑事事件では最高裁で有罪が確定し、えん罪を晴らすことはできませんでしたが、有罪判決を理由とした懲戒免職処分は不当として、横浜市教育委員会へ免職取り消しを求めた裁判では「元教諭に対する生徒・保護者の信頼や教育実践などを考えると、処分は重すぎ妥当性を欠き裁量権を逸脱している」と懲戒免職取り消しを勝ち取りました。
 河野さんはもとより、ご家族や「河野さんのえん罪を晴らし職場復帰を実現する会」がたたかった8年間は、私たちの想像を絶するものだったと思います。

 今だけ委員長が日本新聞労働組合連合の専従役員をしていた2007年春。霞ヶ関・東京高裁前でビラを配布する河野さんと初めての出会いました。神奈川新聞に勤める石川美邦さんを介して、えん罪事件でたたかっていることを知りました。専従の任期が切れて仙台に戻ってからも微力ながら署名活動やカンパの協力をさせていただき、送られてくる会報を見ては一喜一憂していました。一昨年11月に「免職取り消しの判決が確定」との会報が届いたときは、心の底から「良かった」とこみ上げる気持ちになったことを覚えています。

河野さん.jpg そして過日、なんと河野さんが私を訪ねてこられたのです。
 お互いに名前は知り得ているけれど8年近く時を経た再会でしたが、「一番つらく大変な時に支援をして※右側が河野さん もらってありがたかった」と河野さんが手を握ってくれた時、目頭が熱くなりました。短い時間でしたがいろいろと話をさせていただき、8年間のご苦労をあらためて感じました。「本人は絶対にやっていないからたたかえるけれど、家族は大変だったと思う」とても重い言葉でした。免職は取り消されたものの、教壇に再び立つことができなかった無念さも伝わってきました。

 昨年、11月11日付けの会報(最終号)に掲載された西村紀子弁護士のコメントが目を引きます。
「河野先生は、この間、教壇に立つことはできませんでしたが、この事件を通して、自身が多くを学ばれるとともに、弁護士を含めた周囲の関わった人たちに多くのことを教えられたのだと思います。真実を貫くこと、絶対に最後まで諦めないこと、日頃から一生懸命やってきたことが自分を助けること。私も学んだ一人です。河野先生に学んでいた生徒達も、この事件の結末を聞いて、そう感じているのではないでしょうか。これもまた『教壇』だったのではないかと思う今日この頃です」。

 河野さん大変お疲れさまでした

▽推定有罪って… 痴漢えん罪とたたかう著者に支援を(今だけ委員長ブログ 2008年3月27日付)
http://minihanroblog.seesaa.net/article/91234131.html
▽痴漢冤罪の元高校教諭・河野さん――東京高裁で逆転勝訴(週刊金曜日ニュース 2013年5月21日付)
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=3258
posted by 今だけ委員長 at 20:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2015年03月30日

「伝える技法」 何を伝えたいか徹底して考え抜くこと

伝える技法.png
伝える技法〜プロが教える苦手克服文章術〜
著者 高田昌幸(旬報社)1,620円

 高知新聞社の高田昌幸さんから献本いただきました。
 できるだけ早く小ブログでも紹介したかったのですが、怠け者の当方・・・いや、この本を読むとブログで発信する目的は?ターゲットは誰?という自問自答をよそに、なんで俺はブログをやっているの?ということをあらためて考えさせられました。

 表題の「伝える技法」とは何とも堅苦しい参考書のように映りますが、文章力をちょっと高めたいという方にはもってこいの内容で、とても分かりやすく中学生あたりから活用できると思います。そして、例文として引用されている新聞記事も高田さんらしい(怒られるかな)チョイスで、「こう表現を変えると」とグイグイ引き込んでくれます。
これから書こうとしている作文。
その目的は何でしょうか。
だれに向かって書くのでしょうか。
何のために書こうとしているのでしょうか。

小ブログを書き始めて10年目。まったく上達しない(それすら振り返って考えたことがない)文章力に嫌気がさしてきたところに、届けられたこの1冊。
ブログを書く前に「何を」伝えたいのか、しっかり考えてから発信していこうと思います。

posted by 今だけ委員長 at 18:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介

2015年03月19日

大川小の悲劇から感じる不都合な真実に向き合おうとしない現代社会の隠ぺい体質

 東日本大震災の津波で児童74人と教職員10人の計84人が死亡・行方不明となった石巻市立大川小学校の事故は、学校管理のもとで多くの命が奪われた大惨事。

大川小.jpg 「大川小の悲劇」として大きな社会問題となった背景には、甚大な津波被害だけではなく石巻市教育委員会による不誠実な事故検証、責任を認めない組織体質も露呈し、遺族との間に大きな溝が生じていることもクローズアップされています。2012年12月に大川小での事故を検証する第三者検証委員会が設置(2014年3月に大川小事故検証最終報告書が提出され解散)されましたが、重要な事実情報が盛り込まれず、中途半端な内容とする批判や問題視する声があがりました。検証に5700万円もの税金と1年以上の時間をかけた検証結果に真実の追求もない。ご遺族の失望感は計り知れません。

 富山大学の林衛さんは、事故検証委員会(室崎益輝委員長・関西学院大学総合政策学部教授、神戸大学名誉教授)が失敗に終わった3つの要因についてこう述べています。@大川小の事実に即し検証・再発防止を図る方針A匿名化・免責論以前に、組織トップに説明責任を求める姿勢B自らの方法論の限界を自覚し、見落としを避けようとする科学的態度―。検証委員会は直接の証言にもとづく、推測を交えない原因を導き出そうとしましたが、同委員会の聞き取り調査は公的立場の発言者であってもすべて匿名とした結果、「忘れました。覚えていません」と当初の証言を否定したり、曖昧にした石巻市教育委員会関係者が続出したことなどから「分からないものは、これ以上分からないと結論づけた」という骨抜きの報告書となってしまいました。組織や個人を守るために口をつぐむ隠ぺい体質に対して、「同じ過ちを繰り返さないための原因究明」を望んでいるご遺族の打ちひしがれた気持ちが伝わってきます。
▽大川小事故とその検証に学ぶ/林 衛(富山大学人間発達学部)
http://utomir.lib.u-toyama.ac.jp/dspace/bitstream/10110/13165/1/20141116_JSSTS_Hayash.pdf
      ◇
 声をあげはじめた子どもたち。

 東日本大震災から4年。各紙が震災関連の特集を組むなか、「卒業生ら大川小校舎保存」という記事がほとんどの紙面で大きく報じられました。また、今月14日から開催された「第3回国連防災世界会議」のパブリック・フォーラムを伝える記事も大川小の卒業生や遺族の登壇を取り上げています。
大震災4年:津波被災石巻・大川小「全体保存」市に要望へ(毎日新聞3/8)
卒業生ら大川小校舎保存主張へ…宮城(読売新聞3/6)
<被災者と防災会議>(1)生きた証し忘れぬため(河北新報3/15)
国連防災会議 「なかったことにしない」大川小遺族が訴え(産経新聞3/14)

プログラム.jpg 今だけ委員長も14日、仙台市市民活動サポートセンターで開催された「小さな命の意味を考える〜あの日の大川小学校の校庭から学ぶもの〜」を6歳になる娘を連れて拝聴してきました。
 主催のみやぎ復興応援隊 KIDS NOW(キッズ ナウ)事務局長・佐藤敏郎さん(小さな命の意味を考える会代表)は、今回のパブリック・フォーラムをこう位置づけました「あの日、大川小学校では多くの子どもと先生の命が一瞬にして失われました。たしかに悲しいことでした。失われた命は戻っては来ません。誰もが目を背けたい、耳をふさぎたい出来事です。しかし、私たちは、その事実に向き合いながら、4年間で多くのことに気づかされました。それは未来に向けての学びにすべきことではないかと考えています。大川小学校で起きたことについては、組織や立場を超えて向き合うべきだと思います。何が起きたのか、事実に基づいて問題点を整理し、参加者みんなで一緒に考えていきます。遺族ももちろんですが、むしろ4年間でつながりを作った方々と一緒にやるフォーラムです。みんなであの日の校庭に向き合う機会だと思っています。子ども達や先生方も一緒です」と。

会場風景.jpg 今だけ委員長は、ふんばろう東日本支援プロジェクトという震災復興ボランティアを通じて4年間、被災地域の方々と携わってきましたが、大川小関係のご遺族の方々とは距離を置いていました。2012年夏に当プロジェクトに参加された方が「この理不尽な対応に市教育委員会を提訴する」といった内容のブログを発信した際に、ご遺族の方から「遺族会の中でも考え方の違いがある。そっとしておいてほしい」という連絡を受けてから、静観してきました。しかし、時間とともに社会に埋もれる組織体質のようなことが74人の小さな命が奪われた本質的な原因ではないかと考えるようになりました。

佐藤敏郎さん.jpg 登壇した佐藤さんと西條剛央さん(早稲田大客員教授・ふんばろう支援基金代表)の報告は、一点の曇りもなく「大川小の悲劇」の本質を語ってくれました。300人を超す来場者は「そうだ、そうだ」と聞き入っていました。この大川小の悲劇を「想定外だった」、「残念だった」で終わらせるわけにはいかないと思います。二度とこのような惨状を招かないために真実の究明と学校防災のあり方、そして組織絡みの上司、同僚を優先してしまう隠ぺい体質へスポットを浴びせてこの問題の本質を検証していかなくてはならないと思います。

西條剛央さん.jpg 私たちは日常に追われながら「不都合な真実」と向き合うことを避けているのではないでしょうか。新聞産業で言えば、押し紙問題(発行本社と販売店の取引関係)を「そんなものは存在しない」と、業界全体が隠ぺいし、労働組合も経済闘争ばかりを優先させて足元にある「不都合な真実」から目を背けているように感じます。こういう体質こそが想定外の事故が発生した時にもろくも崩れ去ることを「大川小の悲劇」から感じるのです。

 自然災害は人の常識を覆すことが少なくありません。でも、人災は一人ひとりの勇気の結集によって防げるものだと感じています。小さな命を守る責任を、不都合な真実に向き合おうとしない現代社会の隠ぺい体質を大人(社会人)は常に考えていかなければなりません。

 パブリック・フォーラムで配布された資料の中に、女川町や大槌町で被災した中学生などへ学習支援を行っているカタリバ代表の今村さんの寄稿を引用します。
日常的な職場風土としての「対話」。
すべての人に必要な、肩書きを超えた「リーダーシップ」。
その二つが、2011年の大川小学校の職員室に存在すれば、適切な「合意形成」がなされたのではないか。

大川小学校でお子様を亡くされた方々は、亡くなった子どもたちの思い出を取り戻したいという感情論で戦っているのではない。

ましてや、誰か特定の人を糾弾したいということでもない。

この停滞した社会の中で、普遍的にどこにでも存在してしまっている、「前例踏襲主義」「お任せ民主主義」の大人の思考停止状態に、そんなものもうやめよう、みんな自分の頭で常日頃から考えようと、訴えていらっしゃるように、私には見える。

はじめて大川小学校の、あの日の話を聞いたとき、実は私も、「未曾有の震災で起きたこと。ツラい責任追及はもうやめて・・」と、感じていた。

しかし今は、ちいさな命が失われた「原因」を、社会の学びに変えなければいけないと、心から感じている。
その責任が、すべての大人たちに課せられた、子どもたちからの宿題だと思う。
今村 久美(認定特定非営利活動法人カタリバ代表理事)

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2015年02月26日

陸奥新報 システム障害で大幅な配達遅れ/中国製システムの復旧遅れる

 青森県弘前市を中心に日刊紙を発行している陸奥新報社が、紙面制作トラブルのため、本日(26日)付朝刊の配達が大幅に遅れているようです。大幅にといっても正午過ぎても配達されていない地域もあり、津軽の知人へ連絡したところ「配達遅れのお詫びの文書とチラシだけが届いた」とのこと。

▽陸奥新報のお知らせ
26日付本紙は、制作システムトラブルで編集作業に大幅な遅れが生じました。このため遅配となりましたことをおわびします。
http://www.mutusinpou.co.jp/news/2015/02/35288.html

 青森の新聞社で働く友人がこの一報を知らせてくれました。氏によると「陸奥新報のシステムは中国資本のベンダー(方正株式会社)を使用している。日本法人はあるものの、こういったトラブル時に対応が遅れることが一番怖いと言われていた。陸奥新報は発送、配達も朝日や東奥日報の販売店に委託しているところが多いため、すべての読者の手に渡るまで、相当時間がかかる見通しだ」とのこと。
▽方正株式会社
http://www.founder.co.jp/solution_01_typesetting_info.html

 よく「輪転機のトラブルにより販売店への店着時間が遅れる」という話は耳にしますが、システム障害で販売店が機能する時間帯(配達員の多くは副業であるため、7時くらいを過ぎると大半のアルバイトが日中の仕事へ向かってしまい宅配体制が機能しなくなる)を大幅に超えてしまうというのはとても珍しいことです(いや、とても残念であり、気の毒な話です)。
 店主さんはじめ専業従業員の方が精一杯、配達していることと思いますが、雪深い弘前市内そして青森全域への新聞配達は容易ではありません。あすの朝刊と一緒に配達するところも出てくると思われます(夕刊と一緒というわけにも行かないので)。

 定期購読者の減少に伴う販売収入や広告収入の落ち込みなどで、厳しい経営を余儀なくされている新聞社。株式会社電通がこのほど発表した「2014年日本の広告費」によると、「マス四媒体」といわれるテレビ、ラジオ、雑誌の広告収入が総じて前年比プラスになったものの、新聞だけが98.2%の前年割れ。急上昇中のインターネット広告(1兆519億円・前年比112.1%)にも大きく水を分けられています。
 (これは想像ですが)できるだけ安価なシステムを導入した結果がシステム障害という事態を招いたのかもしれません。新聞社は不測の事態においてもソフト面(新聞社員力)については事態に対応できる能力と修練された技術力があるものですが、ハード面(システムや輪転機など)は専門業者に委ねるしかないのも現実です。「他山の石」として自分たちの足元を見つめ直したいと思います。

▽「2014年 日本の広告費」は6兆1,522億円、前年比102.9%(電通)
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2015/0224-003977.html

【追記】(2016.2.26 19:15)
▽陸奥新報が朝刊遅配 システム障害で(東奥日報2/26付夕刊より)
 陸奥新報社(本社・弘前市)の新聞編集制作システムに障害が発生し、同社発行の26日付朝刊「陸奥新報」が津軽地方で約6時間、遅配になった。
 同社の成田幸男編集局長によると、システムに障害が起きたのは25日午後10時ごろ。応急処置をし26日午前9時すぎ、印刷を再開した。同局長は「原因を調べながら完全復旧を目指す」と話している。

 今回の一報を知らせてくれた友人から貴重な資料も送っていただいたので引用します。ちなみに、青森市内には、午後3時に陸奥新報が届いたそうです。
※ベンダー(方正株式会社)の沿革によると、陸奥新報のシステムは2006年11月に稼働。2010年2月には日刊スポーツの「東阪統合システム」が稼働し、この年の新聞協会賞(技術部門)を受賞している。
http://www.founder.co.jp/about_us.html#c
※当時の「新聞研究」を見ると、受賞理由に「海外ベンダーに開発作業を委託することで、開発・保守コストの大幅な削減を図った」とある。今回の陸奥新報のトラブルを直接結び付けるわけにはいかないが、「できるだけ設備投資を抑えたい」とも受け取れる。以下は新聞協会HPより。
http://web.archive.org/web/20101127190847/http://pressnet.or.jp/about/commendation/kyoukai/works.html
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2015年02月13日

中国新聞が4月末で夕刊を休刊/ブロック紙勢も「夕刊廃止」の堰を切った

 昨夜に届いたニュースを見ながら「やはり…」という思いに駆られました。
中国新聞が4月で夕刊休刊 朝刊とセットの新媒体創刊(2/13付・中国新聞)
 中国新聞社(広島市)は12日、夕刊を4月末で休刊し、朝刊と同時に配達する日刊の新媒体「中国新聞SELECT(セレクト)」を5月1日、創刊すると発表した。同社夕刊は1924年から発行しているが、部数減により91年に及ぶ歴史に幕を下ろすことにした。
 SELECTは、経済や海外のニュースを中心に、幅広いジャンルから読み応えのある記事を盛り込む。外部投稿や写真特集、文化、芸能のほか脳トレやクロスワードなど遊びの要素も加える。
 朝刊と同じサイズの16ページで、全ページカラー。月曜日を除く週6日発行する。朝刊と同時に配達することを条件に、販売エリアは限定しない。
中国新聞社:4月末で夕刊を休刊に(2/12付・毎日新聞)
中国新聞社(広島市)は12日、夕刊を4月末で休刊し、朝刊と同時に配達する日刊の新媒体「中国新聞SELECT(セレクト)」を5月1日、創刊すると発表した。同社夕刊は1924年から発行しているが、部数減により91年に及ぶ歴史に幕を下ろすことにした。
 SELECTは、経済や海外のニュースを中心に、幅広いジャンルから読み応えのある記事を盛り込む。外部投稿や写真特集、文化、芸能のほか脳トレやクロスワードなど遊びの要素も加える。
 朝刊と同じサイズの16ページで、全ページカラー。月曜を除く週6日発行する。朝刊と同時に配達することを条件に、販売エリアは限定しない。(共同)

 新聞社は県内を発行エリアとする地方紙と近隣県にまたがる広域エリアで発行するブロック紙、そして全国紙に分類されますが、いよいよブロック紙勢も「夕刊休刊」の堰(せき)を切ったと捉えています。(※産経新聞東京本社は全国紙ですが2002年3月で夕刊廃止)

 今だけ委員長は、この流れはさらに加速すると予感しています。
 新聞社および販売店の経営問題のみを考えると夕刊発行(配達経費含む)にかかるコストは総じて赤字です。完全セット販売も顧客のニーズによって崩れており、朝刊単配の読者がセット読者数を上回っている地区が増加、記事の連動性も編集段階で相当難しくなっていると聞きます(夕刊で一報した記事を翌日朝刊へ掲載する際、夕刊を購読していない読者へ記事重複しないように掲載の仕方を工夫するなど)。
 また、新聞社において速報性という概念がいまのネット時代に照らし合わせて、どう作用しているのか。号外の発行も電子号外(WEBで発信)へシフトしている状況を考えると、情報の速報性については「紙」だけに固執しない流れになっているわけで、これまで(中国新聞社は91年間)続いてきた朝・夕刊という新聞のセット発行は多メディア時代(情報摂取の機会の多様化)とともにその意味を成さなくなってきたと感じています。
 しかし、販売現場にいると夕刊が配達されるのを待っている読者もいる(その多くが高齢者ですが)。そして、新聞配達で生計を立てている労働者のことを考えると何とも言えないジレンマを抱きながら、私を含め多くの新聞関係者は「自分たちの足元」を見ていることだと思います。

 けさはやくに、旧知の中国新聞販売店の方へ話しをうかがいました。その所長さんも夕刊配達スタッフへの説明やメディアとしての価値について、複雑な気持ちでいるようでした。夕刊休刊の社告は本日付だったのですが、業界紙などに情報が漏れて当初3月発表の予定を前倒しして13日発表となったこと(共同通信などは前日12日に配信)。販売店側へ夕刊休止の通達・説明会が行われたのは先月28日だったそうです。夕刊を扱っている販売店の多くが採算割れしていたことなどから「歓迎」する向きもあるとのことですが、この所長さんは「やはりスタッフのことやメディアとしての価値を考えれば、どうなんだろう?と言う気持ちです」と語ってくれました。

 中国新聞社では夕刊に変わる新たな媒体「中国新聞SELECT(セレクト)」(週6回発行・単売なし)を発行するとのこと。夕刊休止による収入減を補う施策として期待されますが、中国新聞の読者が2パターン(SELECTとのセット読者と朝刊単読者)となるので、配達はとても複雑になるのではないかと感じます。

【追記】
※中国新聞 発行部数(2013年4月15日現在)
 朝刊 639,084部   夕刊 34,967部

posted by 今だけ委員長 at 07:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事ニュース

2015年02月10日

阪神淡路大震災から20年 復興の歩みで感じた新聞社の力強い矜持

shisaibookp.jpg
阪神・淡路大震災20年 報道記録(神戸新聞総合出版センター)1,800円

 神戸新聞社の友から、阪神・淡路大震災20年の報道記録と1995年1月17日の震災直後に発行された神戸新聞夕刊(復刻版)を贈っていただきました。あらためて震災の凄まじさと、地域社会のなかで新聞社が果たしてきた力強い矜持のようなものを感じながら読ませていただきました。

阪神淡路大震災記録集・復刻版.jpg 20年前の大震災を境に、神戸新聞社の方々もとても大変な思いをされたことと思います。そして、震災が発生した5時46分は新聞配達の最中で、配達中に犠牲になった方もいらっしゃいます。公益社団法人・日本新聞販売協会へ問い合わせたところ、当時の同協会近畿本部編集・発行の「日販協近畿報」(平成7年2月号)を提供していただきました。紙面を見ると亡くなられた新聞販売労働者は20人。負傷者32人。全焼した店舗が1店。全壊が74店、半壊が142店。資料では配達中に亡くなられた方だけの数字ではありませんが、多くの犠牲者が出てしまったことは悔やまれてなりません。
日販協支部別被害状況_02.jpg
 被災した生活者のために新聞社員は情報を集め、紙面をつくり、販売労働者は新聞を配り続けた。

 東日本大震災の時も宅配網を支えた配達スタッフの気持ちを「責任感」の表れと思っているのですが、給料を払っている側は(給料という権利を得ているのだから)「義務感」であろうと考えている方も少なくありません。視点のあて方の違いだと思いますが、機械化できない新聞配達は労働集約型産業なので、ある種の責任感(休んだ方もいらっしゃったので)が根っこにある方々によって支えられていると考えたいものです。

 まだまだ復興もままならないのに不謹慎かもしれませんが、東日本大震災から20年後(あと16年)って被災三県をはじめ、この国がどのような状況になっているのかと考えます。そして新聞産業も・・・。
 こんなことを思い浮かべながら、あすは47回目の月命日。もうすぐ東日本大震災から4年が経とうとしています。
posted by 今だけ委員長 at 01:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介

2015年01月22日

ヤマトメール便廃止のもうひとつの理由

 ヤマト運輸株式会社(ヤマトホールディングス)がクロネコメール便を本年3月31日受け付け分で終了するというニュースが入ってきました。
▽ヤマト運輸、メール便廃止へ 利用者のリスク回避できず(朝日新聞1月22日付)
http://www.asahi.com/articles/ASH1Q5HNCH1QULFA019.html
▽クロネコメール便の廃止について(ヤマト運輸プレスリリース)
http://www.yamato-hd.co.jp/news/h26/h26_73_01news.html

 お客さまがクロネコメール便で信書に該当する文書を送り、罰せられてしまうことがないよう、荷受けを厳格化し、注意喚起をはかるとともに、2013年12月に、総務省 情報通信審議会 郵政政策部会において、内容物ではなく、誰もが見た目で判断できる「『外形基準』の導入による信書規制の改革」を提案し、信書を送ってしまっても、送ったお客さまではなく受け付けた運送事業者のみが罪に問われる基準にすべきであると訴えてきました。しかしながら、結局、当社の主張は受け入れられず、依然お客さまのリスクをふせぐことができない状態となっております。
 以上の経緯を踏まえ、法違反の認識がないお客さまが容疑者になるリスクをこれ以上放置することは、当社の企業姿勢と社会的責任に反するものであり、このままの状況では、お客さまにとっての『安全で安心なサービスの利用環境』と『利便性』を当社の努力だけで持続的に両立することは困難であると判断し、クロネコメール便のサービスを廃止する決断に至りました。(ヤマト運輸プレスリリースより)

 今回発表されたヤマト運輸の「クロネコメール便廃止の決断」については、総務省の諮問機関「情報通信審議会」が昨年12月4日に中間答申した「郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書便市場の活性化方策の在り方」の内容(総務省の方針)が、ヤマト運輸側の思ったとおりには進まなかった(これ以上総務省が一般新書事業の基準を緩和することはありえないと悟った)ことが「決断」に至ったと見るべきですが、私はヤマト運輸の将来的な人員確保の難しさやコスト的な価値判断ももうひとつの理由ではないかと感じています。

 一般信書便事業は2003年に民間企業にも開放されましたが、「全国に約10万本のポストを置く」など基準が厳しく、これまで1社も参入していません。民営化になったとは言え実態としては日本郵便の独占状態が続いています。ヤマト運輸と総務省の「因縁の対決」(規制緩和を求める=ルールの定義)を注目してきましたが、もともと国が進めてきた郵便事業のインフラ機能(ユニバーサルサービス)には民間企業が太刀打ちできるわけがないのです。

 私が所属する販売店でもメール便事業を大手運送会社の下請けとして業務委託を受けていますが、「どう見ても信書だろう」というものがフツーに流通しているのが実態です。ヤマト運輸も依頼された顧客のリスクまで考えなくともイイのではないか―とも思うのですが、配達スタッフ確保の難しさやコスト的なメリットも「決断」に含まれているのかもしれません。ネット上では「日本郵便の独占は許せない」とか「ヤマトの方がサービス(価格)がよい」という意見が大半を占めているようですが、流通の現場では一般信書の配達料金ではコスト的に合いません。ビジネス街のように一つのビルで何百通と届けられる市場であれば利益もでると思いますが、住宅地などでは確実に赤字になるでしょう。メール便の単配ではやっていけないのです(私のところは夕刊配達時のついでに配っています)。全国どこでも52円で3日以内に届けるサービスは国策だからやってこれたわけだし、民営化されたとはいえ拠点・設備・インフラ機能はそのまま受け継いだ日本郵便にはかなわない。「生活者の利益」をよーく考えたいものです。

 ネット販売などの流通が活発になり民間企業が薄利多売の料金競争を仕掛けてメール便市場は拡大してきたわけですが、そのしわ寄せは末端労働者への低賃金化を招き、「配る人がいない」というスパイラルに陥るだけだと思います。

▽信書を送る方法と梱包方法!ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の宅配便
http://torisedo.com/18692.html
▽一般信書便の参入規制維持 総務省、特定信書便は一部緩和(日本経済新聞2014年3月12日付)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1203J_S4A310C1EE8000/
posted by 今だけ委員長 at 22:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事ニュース

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